コチコチと
時を刻む音を聞いていると
心臓の音がしてる気がして
その物がどこで
どんな人の時を刻んできたのか
物語を想像してしまう。
二年前パリのマルシェで購入してきた
真鍮のアンティークな置き時計
動かない時計も
「動くようになるよ」と
ムッシュは言っていたけれど
動かないままで飾ってある。
心臓が止まったように
物語を閉じた時計は四角い方
丸い動く時計の方は一昨日お嫁に行ってしまった。
「ずっと気になっていたんです」
そう言ってくださる素敵な方のもとへ。
今頃あの方の時を刻んでいると思うと
なんだかとても嬉しい。